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第36話 コレにて一件落着……?

last update publish date: 2026-09-29 07:19:42

「……ド!」

 声がする。

「……ラド!」

 誰かが俺を呼んでいる。

 そういえば、あれから俺はどうなったんだ?

 ベリアルを斬って、奴の身体が崩れて、それから――。

「クラド!」

「クラド殿! 起きてください!」

 瞼まぶたを持ち上げた途端、全身が一斉に痛みを訴えた。

 肩も腰も頭も痛い。むしろ、痛くない場所を探した方が早そうだ。

「痛ツァッ!」

 反射的に起き上がろうとした俺の額ひたいを、ヴェルカが掴んで地面へ押し戻した。

「バカ、そんなすぐ起きたら傷が開くだろうが」

「だったらもう少し優しく戻せ!」

「いっけね」

 舌を出すヴェルカへ文句を言う間もなく、今度はミリスが胸へ飛び込んできた。

「クラド! よかった、生きてた……!」

「ミ、ミリス……肋あばら、肋あばらが……」

 聞こえていない。

 ベリアルを倒した直後に仲間の抱擁ほうようで死ぬのだけは、さすがに勘弁してほしい。

「こらこらミリス殿。その辺にしておかないと」

「だって、だって……」

「このままじゃクラドが死ぬぞ?」

 ヴェルカが笑う。

 つい数秒前、自分が俺の頭を地面へ押し戻したこと
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    「……ド!」 声がする。「……ラド!」 誰かが俺を呼んでいる。 そういえば、あれから俺はどうなったんだ? ベリアルを斬って、奴の身体が崩れて、それから――。「クラド!」「クラド殿! 起きてください!」 瞼を持ち上げた途端、全身が一斉に痛みを訴えた。 肩も腰も頭も痛い。むしろ、痛くない場所を探した方が早そうだ。「痛ァッ!」 反射的に起き上がろうとした俺の額を、ヴェルカが掴んで地面へ押し戻した。「バカ、そんなすぐ起きたら傷が開くだろうが」「だったらもう少し優しく戻せ!」「いっけね」 舌を出すヴェルカへ文句を言う間もなく、今度はミリスが胸へ飛び込んできた。「クラド! よかった、生きてた……!」「ミ、ミリス……肋、肋が……」 聞こえていない。 ベリアルを倒した直後に仲間の抱擁で死ぬのだけは、さすがに勘弁してほしい。「こらこらミリス殿。その辺にしておかないと」「だって、だって……」「このままじゃクラドが死ぬぞ?」 ヴェルカが笑う。 つい数秒前、自分が俺の頭を地面へ押し戻したことは忘れたらしい。 ……いや、ちょっと待て。「俺って確か、落ちてなかったか?」 そこまで思い出したところで、カグヤがミリスを引き剥がしながら振り返った。「あの後、ヴェルカ殿が受け止めてくれたんですよ」「ったく、最後まで世話の焼ける弟子だよ、お前は」 そう言うくせに、ヴェルカの口元は少しだけ緩んでいた。「……ヴェルカ」「あ?」「ありがとう」「き、気持ち悪ぃこと言うなよ。鳥肌立つだろ」「おい! 人が素直に礼言ってんだから受け取れよ!」「いらねえよ。現金で寄越せ」「結局金かよ!」 まったく。「それよりクラド殿、身体は本当に大丈夫ですか?」「全然大丈夫じゃない。たぶん骨、何本かいってる」「……治療していただきましょう」 そこでようやく、俺も大きく息を吐いた。 改めて周囲を見る。 夜市だった場所は見る影もない。 石畳は抉れ、建物は崩れ、《価格暴落》に呑まれた一帯には瓦礫すら残っていなかった。 灰だけが、夜風に舞っている。 そして――ベリアルはいない。「……本当に、倒したんだよな」「ええ。気配は完全に消えてい

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